重要文化財
寄木造り、彩色土紋置玉眼入り
像高134.5
鎌倉時代
もとは鎌倉尼五山一位太平寺の本尊。
里見氏鎌倉乱入の時、太平寺住持青岳尼とともに安房国に奪い去られたが、東慶寺要山尼が本尊をとりかえした。なお、この像を安置していた太平寺仏殿が現在の円覚寺舎利殿として現存する。
台座・光背は後補。右足を軽く前に踏み出す来迎姿で、髪は高く結いあげ、衣文のひだは写実的で、全体に宋風彫刻の影響が強い。衣文には厚手の彩色のほか、細かく土紋をほどこす。
土紋はねった土を花、葉、輪法などの雌形にいれて文様をつくり、それを衣の適当な場所に漆で貼る装飾法で浮彫に似た効果をだす。