緊急事態宣言下において ―住職からのことば―
2021年01月09日

首都圏において、二回目の緊急事態宣言発令となりました。

昨年の一回目では、鎌倉市全体に観光客を呼ばないよう、
多くの寺院が足並みをそろえて、拝観謝絶の対応をとりました。

宣言下のある日、市内を車で移動中、
教会の扉がいつもどおり開いており、
お祈りをする人が中に入っていくのを見かけました。

拝観謝絶の対応をとっている自分が、
僧侶として、宗教者として、本当に正しいのか、
寺院のあるべき姿とは何なのか、
それを考え、胸が痛みました。

6月中旬に宣言が解除されて以降、
東慶寺では拝観料徴収の廃止や、
本堂内部の開放、大地の再生など、
一般の方にとって、寺院がただの観光名所ではなく、
心のよりどころとなるように努めてまいりました。

先行きの見えない世の中に、
今、世界中の人々が不安な気持ちでいます。
そして、刻々と変化する状況に対して、
一人ひとりが心を正しく調えておく必要があります。

神社、教会、寺院といった宗教施設に足を運び、
お参りをする、祈る。
おおげさなことをせずとも、
そこの空気に触れるだけで、
心が安らぎ、落ち着くものです。

宣言下ではありますが、
今回は閉門いたしません。
どうぞ気軽にお参りにいらしてください。

最後になりましたが、
この度、新型ウィルスによってお亡くなりになられた方々の御冥福と、
現在闘病中の方々の早期回復をお祈りするとともに、
日々尽力してくださっている医療従事者の方々に、
心より感謝申し上げます。

東慶寺住職
井上 陽司
合掌