首都圏において、二回目の緊急事態宣言発令となりました。
昨年の一回目では、鎌倉市全体に観光客を呼ばないよう、
多くの寺院が足並みをそろえて、拝観謝絶の対応をとりました。
宣言下のある日、市内を車で移動中、
教会の扉がいつもどおり開いており、
お祈りをする人が中に入っていくのを見かけました。
拝観謝絶の対応をとっている自分が、
僧侶として、宗教者として、本当に正しいのか、
寺院のあるべき姿とは何なのか、
それを考え、胸が痛みました。
6月中旬に宣言が解除されて以降、
東慶寺では拝観料徴収の廃止や、
本堂内部の開放、大地の再生など、
一般の方にとって、寺院がただの観光名所ではなく、
心のよりどころとなるように努めてまいりました。
先行きの見えない世の中に、
今、世界中の人々が不安な気持ちでいます。
そして、刻々と変化する状況に対して、
一人ひとりが心を正しく調えておく必要があります。
神社、教会、寺院といった宗教施設に足を運び、
お参りをする、祈る。
おおげさなことをせずとも、
そこの空気に触れるだけで、
心が安らぎ、落ち着くものです。
宣言下ではありますが、
今回は閉門いたしません。
どうぞ気軽にお参りにいらしてください。
最後になりましたが、
この度、新型ウィルスによってお亡くなりになられた方々の御冥福と、
現在闘病中の方々の早期回復をお祈りするとともに、
日々尽力してくださっている医療従事者の方々に、
心より感謝申し上げます。
東慶寺住職
井上 陽司
合掌