東日本大震災10年目にあたり
2021年03月11日

東日本大震災から10年目の今日。
東慶寺では、4回目となる、
「大地の再生」の水脈工事を行なっていました。

震災以降も、各地で地震、台風、豪雨などの災害がたくさんありました。
その度に、人間は自分達の生活環境だけを、
より安全に、より強固にしてきました。

しかし、それは本当に教訓を生かしたことになるのでしょうか。

我々も自然の一部であり、
大地の恵みをいただいて生かされていることに気づき、
人間主体の発展、整備ではなく、
自然との共存を目指すべきではないのでしょうか。

そんな考えのもと、
「大地の再生」に取り組んでいる矢野智徳さんと出会い、
1年間、共に学んでまいりました。

境内では、見た目の美しさにとらわれず、
五感を働かせて、自然と向き合ってほしい。
お寺の発信を通して、一人でも多くの方に、
「大地の再生」を知ってほしい。
お寺の活動には、そんな願いが込められています。

これまでの経験を教訓に、
生かされ、残された我々がすべきことは何か。
未来のために何ができるのか。

大自然とご先祖さまに恥じぬよう、
少しずつですが、
これからも一生懸命歩んでいきたいと思います。

東慶寺住職 井上 陽司 合掌

最後に。
円覚寺派管長 横田南嶺老師がこの日に合わせ、
ぴったりの詩をご紹介されておられましたので、以下に引用いたします。

「あとから来る者のために」
坂村真民

あとから来る者のために
田畑を耕し
種を用意しておくのだ
山を
川を
海を
きれいにしておくのだ
ああ
あとから来る者のために
苦労をし
我慢をし
みなそれぞれの力を傾けるのだ
あとからあとから続いてくる
あの可愛い者たちのために
みなそれぞれ自分にできる
なにかをしてゆくのだ