東日本大震災から10年目の今日。
東慶寺では、4回目となる、
「大地の再生」の水脈工事を行なっていました。
震災以降も、各地で地震、台風、豪雨などの災害がたくさんありました。
その度に、人間は自分達の生活環境だけを、
より安全に、より強固にしてきました。
しかし、それは本当に教訓を生かしたことになるのでしょうか。
我々も自然の一部であり、
大地の恵みをいただいて生かされていることに気づき、
人間主体の発展、整備ではなく、
自然との共存を目指すべきではないのでしょうか。
そんな考えのもと、
「大地の再生」に取り組んでいる矢野智徳さんと出会い、
1年間、共に学んでまいりました。
境内では、見た目の美しさにとらわれず、
五感を働かせて、自然と向き合ってほしい。
お寺の発信を通して、一人でも多くの方に、
「大地の再生」を知ってほしい。
お寺の活動には、そんな願いが込められています。
これまでの経験を教訓に、
生かされ、残された我々がすべきことは何か。
未来のために何ができるのか。
大自然とご先祖さまに恥じぬよう、
少しずつですが、
これからも一生懸命歩んでいきたいと思います。
東慶寺住職 井上 陽司 合掌
最後に。
円覚寺派管長 横田南嶺老師がこの日に合わせ、
ぴったりの詩をご紹介されておられましたので、以下に引用いたします。
「あとから来る者のために」
坂村真民
あとから来る者のために
田畑を耕し
種を用意しておくのだ
山を
川を
海を
きれいにしておくのだ
ああ
あとから来る者のために
苦労をし
我慢をし
みなそれぞれの力を傾けるのだ
あとからあとから続いてくる
あの可愛い者たちのために
みなそれぞれ自分にできる
なにかをしてゆくのだ